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ミスなんてしたくないのに繰り返してしまう。
そういうことはありませんか。
始末書やインシデントレポートを作成して、先輩や上司に叱責される。
もっと注意しなきゃ、気合いが足りないんだ。
そう思ってもまたミスしてしまう。
落ち込んできますよね。
あなただけのせいではないかもしれません。
内面でなく、行動にアプローチする方法があります。
一緒に行動科学に基づいたミス対策を学んでいきましょう。
間違えてしまう自分の行動を考えて対策できますし、気分に左右されません。
組織でのリスクマネジメントも、人の行動を考えて対策できるので誰もが同じようにミスを防ぐことができます。
成果を上げる行動変容 無くならないミスの無くし方
こちらの記事は石田淳さん著『成果を上げる行動変容 無くならないミスの無くし方 』という書籍を参考に作成しています。
石田さんは米国で盛んな行動分析をもとにしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジして「行動科学マネジメント」として確立されました。
なぜミスをしてしまうのか。
時代の変化に合わせて効果的なリスクマネジメントの方法も変化します。
在宅ワークへの移行、高齢化、多様性など価値観の違いが顕著に出る時代、内面にアプローチするマネジメントを続けていては結果は出ません。
科学的根拠を用いた、「行動」へアプローチするマネジメントの方法をわかりやすく解説してあります。
組織のミスをなくしたい方や自分のミス対策をしたい方どちらにもおすすめです。
またミスしちゃった!なんで?
なぜミスをするのか?
書籍に記載されている内容を参考に一部紹介します。
人それぞれ考え方が違う
当たり前ですが、人それぞれ考え方が異なります。
効率的にやるには…
慎重にいかないと…
まあ、なんとかなる!
このように、価値観も違えば、年齢による違い、性別、人種とさまざまな違いがあります。
「これぐらい、言わなくてもわかるだろう。」
「当たり前のことだ。」
というのは間違っています。
誰もが自分と同じ考えで同じ行動をするとは限りません。
異なることを前提としていれば、どうすれば伝わるか注意できるため価値観の違いによるミスが減ることでしょう。
曖昧な言葉を使ってませんか
例えば、「しっかり挨拶をする」、「臨機応変に動く」、「慎重に行動する」という言葉。
よく見る言葉で、組織のスローガンなどでも見かけますね。
でも、これだけではどう動いていいかわかりません。
「しっかり」、「臨機応変」、「慎重に」というのはどういうことだかイメージがつきにくい言葉です。
自分なりの解釈で行動してしまいます。
それは、責任者が考えている理想とは、離れている行動かもしれません。
これらの曖昧な言葉を多用していては、すべてのメンバーが同じ結果を出すことは難しくなります。
技術の進歩についていけません
IT技術が発達している中で、コンビューター機器や便利なシステムが導入されることも多くなってきました。
これらは使いこなせれば、大きな効果を発揮して仕事の効率化もはかれます。
しかし、現在はご高齢の方や外国から働きにきている方など多種多様な人材がいます。
技術の進歩についていけない人もいることでしょう。
便利な機械も結局は人が動かすもので、使いこなせなければ意味がないのです。
ミスやトラブルにつながることもあります。
人の行動メカニズムを知ろう
ここからは、人の行動について解説していきます。
どのようなときに人は行動するのか。
これが理解できると、メンバーや自分のマネジメントにも役立ちます。
内面にアプローチしても意味がない!
決められたことができず、ミスばかりしてしまう人に対して、その人の性格や姿勢、やる気の問題としても何も解決につながりません。
機械の操作を間違えたけど、その機械の操作が難しくて。
「気をつけて」と言われても、注意力にも限度がある。
また繰り返しそうで怖い。
機械の操作が簡単になるような工夫がないか考えてみよう。
意識の問題として、内面にフォーカスするのではなく、その人がなぜその行動を取るのか、そのメカニズムを理解して、そこから解決していく必要があります。
行動するサイクル
まず、知っておきたいのは、「人はなぜ行動を積み重ねるのか」ということです。
人が行動を起こすときには、行動サイクルがあります
- A(Antecedent)先行条件:行動を起こすきっかけ。行動する直前の環境
- B(Behavior)行動:行為、発言、ふるまい
- C(Consequence)結果:行動によってもたらされるもの。行動した直後の環境変化
行動の結果メリットがある、もしくはデメリットを避けられる行動は繰り返す。
メリットがないもしくはデメリットがある行動は繰り返さない。
例えば、部屋が暑かったらどうする?
うーん、窓を開けようかな。
それで涼しくなったとしよう。
うん。
別の日、また部屋が暑くなったらどうする?
あー、窓を開けるかな?
前も窓を開けて涼しくなったし。
そうペイね。
暑くなった(理由、きっかけ)
だから窓を開ける(動く)
そしたら涼しくなった(結果)
となっているね。
人が行動を起こすには、理由やきっかけがあります。
その条件を満たすために「行動」し、行動の後に「結果」が生まれます。
その結果は、次の行動を促します。(あるいはその行動をしないよう促す。)
暑いから涼しくしたいという条件を窓を開けることで満たせた。
この結果は自分にとってメリットがあるね。
次また同じ状況になったら窓を開けるという同じ動作を繰り返すね。
じゃあ、暑い日、窓を開けたけど涼しくならなかったら?
うーん、窓は開けないでエアコンをつけようかな。
次の日も、その次の日も窓を開けて暑かったら?
もう窓は開けないでエアコンをつけるようになるね。
そうペイね。
結果が望まないもの(メリットがないかデメリットがある)だった場合は、
その行動はしなくなってしまうんだよ。
習慣化したくなるキーポイント
人が習慣化したくなる行動はこんな条件があるペイ!
・ポジティブ
・すぐに
・確か
行動科学マネジメントでは、行動の「結果」を「タイプ」「タイミング」「可能性」の3つの組み合わせで考えています。
この組み合わせのうち、最も繰り返されやすいのが「ポジティブ」「すぐに」「確か」という組み合わせです。
ポジティブな結果がすぐに確実に出る。
こういう行動は繰り返されやすいペイ!
自分にいいことが早く絶対に起こるなら繰り返しやりたくなるよね。
きいろにとって、「レモンケーキを食べる」とおいしいという幸福感をすぐに、確実に得られる。
そうなんだよ。何度も食べちゃう。
一方、苦い食べ物で、お腹を壊したら?
もうそれは食べないな。
そう、ネガティブな結果につながる行動は避けたくなるよね!
あとは、ポジティブな結果につながることでも、後で結果が出るものでしかも不確実というものも
行動を繰り返しにくいよ。
ダイエットとか?
痩せるというボジティブな結果につながるけど、
すぐに結果は出ないし、本当に痩せるかわからないしね。
確かに!
不足行動と過剰行動
では、実際にミスを防ぐにはどんなアプローチをすればいいのでしょうか。
それは不足行動をできるようにすること、過剰行動を抑制することの2点があります。
不足行動:現在は不足していて増やしてもらいたい行動
過剰行動:減らさなければならない行動
たとえば、レモン果汁を絞るとき、目に入っちゃう事故が多発してるとするじゃない。
ああ、よくやるよ。
うちの職場はレモンのわぎりショップと言ってレモングッズを販売してる。
最近はお菓子の販売も始めて、レモン果汁を絞るときがあるよ。
防護めがねをするように言ってるけど、面倒だからしないこともあるよ。
この場合は「レモンを絞るときは防護メガネをする」というのが不足行動だね。
確かに防護メガネをすれば果汁が目に入ることを防げるね。
過剰行動は望ましくない行動だペイ。
何か思いつく?
そうだな。仕事中に商品用レモンをつまみ食いするスタッフがいるよ。
やめてほしいな…。
あとレモングッズの発注ミスとかも結構ある。
ダイエットとかさ、お菓子食べちゃったりする!
何かの試験前に漫画読んじゃうとか?
こういうのも減らしたい行動だから過剰行動かな!
「どんな行動を増やせば、望ましい行動が出せるか」
「どんな行動を減らせば、望ましい成果が出せるか」
「どうすればその行動を増やせるか(あるいは減らせるか)」
これらを考えることが行動に注目したマネジメントの基本です。
これらは、「仕組み」つまり行動のコントロールによって可能になります。
でもね、不足行動は増やしづらいし、過剰行動は減らしづらいんだペイ!
筋トレは長期的にやれば効果が出るけど、すぐには成果が見られないし、きついよね。
それよりもお菓子を食べた方がすぐにおいしいというメリットを享受できる。
確かに!筋トレはすぐに結果が出ないね。
これは増やしたい行動(不足行動)だけど、増やすのは難しそう。
レモングッズの売り込みを他店舗にする営業。
これは1回やったところで自分の業績にすぐつながるわけじゃないね。
そうだね、みんな行きたがらないよ。
でも、カフェなどでさぼるのはどうかな?
「心地よさ」をすぐに得られるよね。
確かにな、すぐサボりたくなっちゃう。
でもそれは行動科学から見て当然のことなんだね。
不足行動は増やしづらいし、過剰行動は減らしづらい!
この2つの特徴は覚えておこうペイ!
人ができない理由『やり方を知らない』
「やり方」とは知識や技術、理論のことです。
何をどうやって、どんなことをポイントとしてやればいいかという「スキル」に該当する部分です。
機械の操作や、正しい接客の手順、書類の書き方などを知らなければ、ミスが起こるのも当然だペイ。
そうか、じゃあどうすればいいの?
どうやってやり方を伝えればいい?
知識と技術2つに分けて伝えることだペイ!
さらに、曖昧な言葉を使わないのもポイント!
知識と技術?
さらに、技術を伝える際は、「言葉」に注意しよう。
曖昧な言葉を使いがちだから、具体的に、行動を分解して伝えるようにしよう。
・レモンを2個2mm幅の輪切りにする。
・牛乳を計量カップに200ml目盛まで注ぐ
・レモンスライス2個分と牛乳200mlを小鍋に入れる。
・中火で3分煮る。
とか行動が分解されていて、具体的でわかりやすいかな。
人ができない理由『継続の仕方を知らない』
やり方を知っていてもできない。
それは継続の仕方を知らないからです。
たとえ、望ましい行動のやり方を知っていても続かないのであれば意味がありません。
ここでいう「習慣」とは「しなければならないこと」が「しないと違和感を覚えること」になり、「自然にやっていた」ことになるレベルだペイ!
では、行動を習慣化させるにはどうすればいいのでしょうか。
あ、人は行動の結果にメリットがあると、その行動を繰り返すって言ってたな。
そうだペイ!
ということは、人に行動を継続させ、習慣化させるには、行動の結果を「メリットのあるもの」に変えればいいんだペイ!
うーん、具体的にはどうすればいいの?
たとえば、TwitterやInstagram、使ってる人多いよね。
「いいね」ボタンを押してもらえると嬉しいよね。
それは嬉しいよ!
またいい写真やつぶやきを投稿しようと思うね。
そうペイ!Instagramは簡単に操作できて、いいねももらいやすいから
繰り返し利用される。それで爆発的に流行したと言われている。
※「スタンフォード行動デザイン研究所の自分を変える方法 習慣超大全/BJ・フォッグ著 須川綾子訳」より
そうなんだ!
だから、「ほめること」「承認すること」がポイントだペイ!
ええ!意外だね!
ポジティブですぐに確かな結果が人に行動を繰り返させると上述しました。
そこで、上司が部下の行動を称賛すること。
つまり、すぐ「ほめる」ということが効果的です。
すぐに、その場でがポイントだペイ!
科学的な実験で、60秒以内がいいと言われているペイ!
ええー!
これだけで効果あるんだ!
ほめるなんてできないという世代もあると思うペイ。
そういう人たちは、褒められず、叱られて頑張ってきた人たちだペイ!
そういう環境で頑張ってきたんだもの、やりにくいよね。
でも、これは「ほめて」行動の結果にメリットを与えるというマネジメントの手法だペイ!
「叱ることよりほめる方が効果的」割り切ってどんどん褒めていくといいペイ!
ははあ!
もうひとつ、承認するということです。
褒められたというまでいかなくても、相手に認められたということもまた、行動を繰り返す要因になります。
望ましい行動をとった際の承認をしましょう。
「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えるのも効果的です。
ありがとうの仕組みは、実はディズニーでも取り入れられているペイ!
ほめるポイント!
行動に対して、
60秒以内に
「〜をやったね。」
「ありがとう」「助かったよ」などと声かけ!
少しずつやればできる
人間の行動原理に則った習慣化のコツは、ちいさいことから始めることです。
習慣化についてはこちらの記事にも記載しているペイ!
いきなり大きく難易度の高いことから始めずに、簡単なものから始めて、徐々にレベルを上げていくのが効果的です。
泳げない人をいきなり水の中に落としてもトラウマを与えるだけです。
最初は水になれることから始めて、徐々にバタ足や潜水、クロールなどと段階を経て泳ぎ方を習得するのが良いでしょう。
ちいさいことでも実行した行動に対して「承認」や「ほめる」ことを行いましょう。
これらは達成感や自己効力感につながり、行動を繰り返すことを後押しします。
これは望まない行動(悪習慣)にも適応されるから注意!
時間に遅れそうだけど、階段を飛び降りたら間に合ったなど、危険な行動でも達成感やメリットがあると人は繰り返してしまいます。
やめさせたい行動がある場合は、その行動を阻止しようと働きかけるのではなく、その代わりとなる望ましい行動の習慣化を図るべきです。
たとえばディズニーでは、パレードの際、「手拍子で迎えましょう」という言葉があるよ。
これは整列を促すロープを引っ張ったり、人を押したりとトラブルの原因となる手の動きを防止しているんだ!
「手で押さないで!引っ張らないで!」というより効果的だペイ!
すごい!
ミスをなくす仕組みづくり
人は、やらされ感のある行動はやらなくなってしまいます。
行動科学マネジメントでは、望ましい行動を増やし、自然にやってしまうよう習慣化することが基本になります。
フォーカスすべきは内面ではなく行動。そのために環境を整える。
この考え方が大変重要です。
ミスをなくす取り組みを始める前には、組織にこの取り組みを周知しよう。
どんなミスや事故があるか知る
安全行動を習慣化するステップは、大きく、「特定」と「継続」に分けられます。
まずは現状を把握することが大切です。
繰り返し発生しているミスや事故を特定しましょう。
把握するためには、調査を行います。
・アンケート
・インタビュー
・観察
従業員へのアンケートは必ず匿名のアンケート調査として行います。
普段から不安だ、危険行動だと思っていることを教えてもらうペイ!
紙でもメールでもグーグルフォームのようなものでもOK。
アンケートで現場の状況がはっきり見えてきたら、インタビューを行います。
こちらも匿名で、なんでも話せる雰囲気で行います。
外部の人に委託するのも話しやすくなります。
「どんな時間に、どんな人が事故を起こしているのか?」など直接聞き出します。
観察は実際の現場を見て確認することです。
聞いただけではわからない事実が判明することがあります。
マネージャーなど上の人が見て確認することがポイントです。
書籍はより詳細に記載されているのでぜひ読んでほしいペイ!
安全な状態はどんな状態?
できる人、ミスをしない人が何をしているかというと、特別なことをしているわけではありません。
すごく単純に考えると、廊下で転ぶとかぶつかる事故が多発したとするよね。
それでも、事故を起こさない人もいるペイ。
なんでかな
事故をおこなさない人は、単に「廊下を走らない」だけ。
特別じゃないよね。それが自然とできている。
ミスを起こす人は廊下を走っているペイ。
そんなこと?!
安全な行動は特別なことじゃないんだね。
そう!でも、当たり前すぎて気づかなかったりするから、
これをみんながわかるようにしないとね。
安全な状態とは、「何も起こらない状態」です。
だから目立たず、言語化も難しいと言えます。
できる人が高いクオリティでミスなく行動できたとします。
これはできる人だけが知っている暗黙知、つまり、経験や勘です。
「臨機応変にやる。」「いい感じに。」と言われても、他の人はわからないよね。
みんなが理解できるように、形式知にしなければなりません。
形式知とは文章や、図、値などで説明できる知識のことです。
「レモン2個と牛乳200mlを小鍋に入れて中火で3分煮る。」
だと具体的でわかりやすいね。
言葉に表してみよう
安全な状態を言葉で表します。
これはメンバー間で同じイメージを共有できるようにするためです。
言語化の際は組織行動セーフティマネジメントのSMORSの法則を参考にします。
- Safety(安全である):危険な行動をしないではなく、安全なことをする
- Measured(計測できる):どのくらいやっているかを数えられる(数値化する)
- Observable(観察できる):誰がみても、どんな行動かがわかる
- reliable(信頼できる):誰がみても、同じ行動だとわかる
- Specific(明確化されている):誰がみても、何を、どうしているかが明確である
これらの要素が全て揃って「安全な行動」と言えます。
人それぞれ考え方や価値観は違うので、それを前提として言葉に表しましょう。
具体的な数値や言葉で表すことが大切です。
言語化された行動が記されたものがチェックリストだペイ!
これは多くの場所で使われているけど、具体化されていないものも多いよ!
チェックリストについてはこちらの記事でも触れているよ。
チェックシートをつくってみたからこれもよかったらどうぞ。
ピンポイント行動は何か
一連の行動で、望ましい結果に結びつく「ここは外せない」「これが肝になる」という最低限抑えるべきポイント。
これをピンポイント行動と呼びます。
ミスをなくす観点から言えば、安全のために決して外せない行動のことだペイ。
この行動を特定できれば、これを安全な望ましい行動に置き換える工夫を考えましょう。
例えば、どんな行動がピンポイント行動なの?
例えばね、現場仕事でヘルメットを被る必要があったとする。
でも、頭部を怪我する事故が多発している。
なんでかなあ。
ヘルメットの顎紐を締めない人がたくさんいたんだ。
顎紐を締めなければ、転倒したときにヘルメットが飛んでいって頭を守ってくれないね。
そうか!
この場合のピンポイント行動は「顎紐をしめること」だね。
そうなんだ!
あるミスや事故を防ぎたい場合、それの原因を特定し、必要な安全行動、つまりピンポイント行動を見極めましょう。
ピンポイント行動を負担なくできるようにするにはどうすればいいかを考える必要があります。
行動の続く環境づくり
せっかく考えた望ましい行動やミスを防ぐ対策は継続していかなければなりません。
著者は次のように述べています。
この習慣が根付いた組織こそが「ミスや事故のない組織」であり、習慣化することが「無くならないミスの無くし方」ということです。
習慣化が進む環境づくりを行います。
ここでいう環境はメンバー間のコミュニケーションも含めた、組織の風土のことだペイ!
- デメリットよりメリットを考える
- まずは声かけ!なんでも話せる環境づくり
行動の結果にメリットがあれば、人は行動を継続するペイ!
だから、意図的にメリットを作り出そう。
そう言われても難しいよ。
例えば、職場で、レモンを切るときの防護メガネをスタッフがしないって困ってたね。
そう、面倒でしないからレモン果汁が目に入るミスが多発してる。
防護メガネはどんなものなの?
ゴーグルみたいなもので頭の後ろで紐を縛るんだ。
それは奥の倉庫の棚の引き出しにしまってある。
ええ…。それは面倒だね!
耳にサッと掛けられるものにして、レモンを切る場所においておけば?
防護メガネをつけるハードルが下がって、みんな装着してくれるようになるよ。
え、そんなことで?
装着が簡単というメリットを与えることで、紐を縛ったり遠くに取りに行くという手順が排除されて、装着率が高まるんだ。
「行動の負担感を下げること」
これも人間の行動原理に沿った環境を整えるということだよ。
他にも、「ありがとう」「今日もお疲れ様でした」といった声かけを心がけると、話しやすい雰囲気になるよ。
これは信頼関係を高めるんだ。
これは「なんでも話せる環境」ということで、「みんな仲良し」とか「上司に好かれてる」といったニュアンスとは違うよ。
防護メガネをつけてくれたら「いいね!」や、「ありがとう」と声をかけるといいのかな。
そう、そうすると承認欲求が満たされるから、行動の結果にメリットを付け足すことができるよ!
ちょっと気恥ずかしい気もするけど、職場の雰囲気も良くなりそうだし、やってみるよ。
ありがとうなら言いやすいかも。
まとめ:人の行動科学に基づいたマネジメントで、ミスを防ごう
内面にアプローチするのではなく、行動にフォーカスする。
これが一番大切な考え方でした。
ミスは自分で振り返り、反省し、次に活かすことももちろん大事です。
しかし、そこにシステムの不備がなかったか、防げる仕組みはないかと考えることも大切です。
行動の結果にメリットがあることで人は行動を継続します。
問題行動は叱責や注意や、曖昧なスローガンは多様化が進む現代では効果が低くなってきています。
メリットを加えて安全行動を促し、継続できる環境を整えること。
これが行動科学に基づいたリスクマネジメントです。
これは、自分をコントロールするときにも役に立ちそうです。
参考文献
石田淳『成果を上げる行動変容 無くならないミスの無くし方 』