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職場でマニュアルをつくったことがあります。
それは機械の操作で、自分だけが詳しい状態でした。
他の人に口頭で伝えても、忘れてしまう、自己解釈で操作するなど、うまくいきませんでした。
自分がいないと問題解決できない状況でした。
それでマニュアルをつくりました。
しかし、ほぼ閲覧されることなく現状のままです。
写真や図を挿入して詳細に解説し、仕事後と休日に少しずつ、2週間以上かかって完成しました。
それが書類入れに挟まったままです。
操作も忘れられたまま、できないまま、問題はこちらにまわってくる。
このような経験をした方もいるのではないでしょうか。
苦労が無駄だったように感じられて辛いですよね…。
改善できる点はなにか、同じ状況の方に参考になればと自分の経験も踏まえながら「伝わらないマニュアルについて」解説していきます。
これがわかれば、伝わるマニュアルがつくれるようになり、求められている結果にたどり着くことができます。
マニュアルはなぜ伝わらなかったか?
伝わらない原因を挙げてみた
マニュアルがなぜ伝わらなかったのか自分なりに考えてみました。
苦労してつくったマニュアルの反省点を考えるのは辛いですが、やってみます。
以下のことが挙げられました。
- 分量が多い
- 詳細に書きすぎた
- フォーマットが決まっていないので読みにくい
- マニュアルの周知が徹底していなかった
- マニュアルを読む時間がない
それでは、ひとつずつ考えていきます。
分量が多い
まず、分量が多いことが挙げられました。
A4用紙16枚、32ページというものでしたが、多すぎて読む気にならなかったことが考えられました。
枚数が多いと読むのが億劫だペイ…。
日々忙しく働いている中で隙間時間や勤務後にこの分量を読みたいと思う人はほぼいません。
詳細に書きすぎた
1ページごとに詳細に書きすぎたのも考えられました。
写真を挿入し、詳細を抜け漏れなくと意識しすぎた結果、文字数が過剰になってしまいました。
実際に作成したもの(モザイクをいれています)の一部ですが、文字数が多いです。
こういうようなのが32ページもあります。
よくつくったね。
冷静になってみると、これでは読む気が失せてしまいますね。
それから、専門用語は使わないように心がけていましたが、無意識に難解な語句を使用していたかもしれません。
これを活かすには簡略化したチェックリストをまた別につくるのもいいかもね。
フォーマットが決まっていないので見にくい
決まった形式は設けずに、気のむくまま作成していました。
そのため、ページごとにレイアウトが異なり、どこに何が記されているか判別が難しいことがありました。
形式を決めていれば、ここはタイトル、ここは手順、ここはコツなどとわかりやすく読めたと思います。
決まった形式(フォーマット)があると、配置が決まっていて視線の移動も固定されるから読みやすいよ!
マニュアルの周知が徹底していなかった
事務所にある連絡ノートでお知らせしましたが、連絡ノート自体を見ていない人もいそうでした。
朝礼などで責任者から連絡するということもせず、静かにマニュアルが置かれていました。
あまり知られていないかつ、なぜマニュアル作成が必要だったかなど理由、重要性も伝えるべきでした。
マニュアルを運用できる仕組みを考えよう。
例えば、どんな仕組み?
例えば、実際に使う場所に設置しておくとか、責任者が後で書いてある内容を聞くようにするとかかな。
マニュアルを読む時間がない
立ち仕事で忙しく勤務後は見る気も起きないということが考えられました。
その職場の環境なども考慮すればよかったかもしれません。
忙しいとマニュアルどころじゃないよね。
ディズニー流伝わらないマニュアルの共通点を見てみる
ディズニーでは伝わらないマニュアルの原因は2つと考えている
大住力さん原作「マンガでよくわかるディズニーのすごい仕組み」を読んでいたら参考になる部分がありました。
伝わらないマニュアルの共通点は大きく2つあり、「何を、いつやるのかが明確でない」「手順、仕上がりのレベルがあいまい」ということだそうです。
「何を」「いつやるか」が明確でない
ディズニーのマニュアルには「これ」と「これ」を「いつ」やりなさいと書かれているそうです。
例えば、「白熊のレポートを書いてきてください。2週間以内に。」とただ言われても何をすれば良いかわかりません。
どういう形式で、何を調べればいいの?どんな状態がゴール?
やる気はあるのにどうすればいいかわからない状態は結構きついです。
それが、順番と行うタイミングまでルール化されていれば取り組みやすくなります。
これは仕事の場面でも同じことが起こりえます。
作業を行う日時が決まっていて、全社員が同じ時刻に作業することになるので「忙しい」「時間がない」と言い訳もしずらくなります。
「手順」「仕上がりのレベル」があいまい
例えば、「交代で、毎日トイレ掃除をしなければならない。」というルールがあるとします。
しかし、人によって掃除のクオリティが違うということはよくあります。
忘れてしまうこともあるでしょう。
悪い例のマニュアルを見てみます。
- トイレ内のゴミをゴミ箱に入れる
- 床・壁を拭く
- 便器をきれいにする
- トイレットペーパーを補充する
このマニュアルの問題点は何でしょうか。
それは「手順」「仕上がりのレベル」が明確ではないことです。
「トイレがきれい」といっても人によって「きれい」という価値観は異なります。
汚れが目立たなければきれいと思う人もいれば、便器の裏側までしっかり洗浄してこそきれいと思う人もいます。
責任者の理想はほこりやちりがなく便器に輝きがある状態なのに、見えないところは拭かない、ゴミを拾うだけの人もいるかもしれません。
「きれいにしましょう」「掃除しましょう」では、望んでいる成果は出ないと考えましょう。
伝わるマニュアルをつくってみよう
先程、伝わらないマニュアルの特徴をお伝えしました。
では、どうすればいいのでしょうか。
「理想の仕上がり」から逆算することです。
「理想の仕上がり」から逆算して、必要な作業を洗い出して分解し、手順を組み立てます。
これを参考に良い例を考えてみました。
便器をピカピカに、壁と床はゴミやほこりがない状態にしたい。
- 便器の周りに落ちているゴミをゴミ箱に入れる
- 手を触れる部分(ドアの取っ手、トイレットペーパー掛けの蓋、トイレの流すバー)をトイレ用除菌シートで拭く
- ドア、トイレ内の壁をトイレ用除菌シートで上部から拭く
- 2枚目のトイレ用除菌シートで便器の周りの埃や汚れを拭きとる
- トイレ用除菌シートで蓋の内側、便座の表裏、便器の縁を拭く
- 便座の中と内側ふちは使い捨てブラシと使い捨てビニール手袋を使用しブラシで擦って汚れを落とす
- トイレットペーパーが4分の1以下に減っていたら残っていても補充する
このように具体的な数値や細かい指示を盛り込むと、誰もが求めている結果にたどり着きます。
こちらの記事もマニュアルについて解説してるよ!
大事なのは意思ではなく行動に焦点を当てること
マニュアルがあっても、その通りにやらない人がいます。
それを、その人が悪いと考えがちです。
姿勢、意識、自覚、やる気、常識といった、具体性のない曖昧なものに対して働きかけようとするとうまくいきません。
人の内面は自分でしか変えられないのです。
現在は様々な人が活躍する時代です。
ひとりひとりに合わせていては手間も時間もかかります。
そこで、万人に共通する「人間の行動原理」に着目して、相手の「行動」に働きかけることが大切です。
行動には3つの要素があるペイ!
モチベーション
能力
きっかけ
詳しくは習慣化の記事をよかったらどうぞ。
これはマニュアルに関わらず色々な仕組みにおいても言えます。
このことを意識してマニュアルを作成・運用していきたいです。
伝わらないマニュアルから伝わるマニュアルへ!記載例
伝わらないマニュアルの原因を踏まえて、伝わらない特徴を持った例と伝わる例を比較できるよう図にまとめました。
伝わりにくいマニュアルは、言葉が曖昧であったり、形式が定まっておらず読みにくさがありますね。
私の作成したマニュアルはまさにこれでした。
こういうのつくってた…。
でも、大丈夫です。
伝わらないマニュアルの特徴を押さえたあなたは、この逆をいけばいいのです。
きっと伝わるマニュアルを作れるようになれます。
わあ!どこに何が書いてあるかすぐわかるし見やすい!
言葉もさっきの例より具体的だね!
まとめ:伝わるマニュアルをつくって誰もができるようにしよう
今回は過去につくったマニュアルの反省点をふりかえりながら、伝わらないマニュアルについて解説しました。
伝わらないマニュアルは曖昧で読む人への配慮が不足しています。
どんな人でも読みやすく仕上がりがイメージできること、手順が明確であることなどポイントがありました。
自分の価値観や考え方は他人と全く同じではありません。
伝わらないマニュアルは上記の考えが抜けているマニュアルです。
そうはいっても難しいよね。
頑張ってつくったあなたはえらい!!
どうすれば行動にアプローチできるか。
そう考えながら作成すれば、伝わりやすいマニュアルが作成できると思います。
参考文献
原作:大住力 作画:岡本圭一郎『マンガでよくわかる ディズニーのすごい仕組み』2015年7月。
石田淳『無くならないミスの無くし方 成果を上げる行動変容』2021年12月。